タヒチの島々は、ダイバーたちにとても人気のある場所です。ザトウクジラサメ、マンタ、イルカウミガメなど、大型生物をはじめとしたさまざまな種類の海洋生物と遊泳することができるからです。でも実は、タヒチ島やライアテア島の海の中には他にも見るべきものがあるんです。それは沈没船です。ポリネシアの過去へと潜り込んでみませんか。

タヒチの島々へ世界中からダイバーが訪れる一番の理由は、透明な海に豊富な種類の海洋生物が驚くほどたくさんいるからです。モーレア島では、熱帯魚、カマストガリザメ、エイ、ウミガメの中をダイビングでき、さらに毎年、出産と子育てのためにフランス領ポリネシアを訪れるザトウクジラと一緒に泳ぐという貴重な体験もできます。太平洋の真珠として知られるボラボラ島は、マンタやレモンザメの上を泳ぐというユニークなダイビングができることで有名です。ランギロア島は、海で一番の人気者であるイルカに会える島です。そのお隣のティケハウ島には、圧倒的な数の熱帯魚、ウツボ、ナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)、バラクーダ(オニカマス)、ホワイトチップリーフシャーク(ネムリブカ)が生息しています。ただ、もしダイビングでタヒチの島々の歴史を探りたいと思うなら、海の底に眠る沈没船を見に行ってみませんか

タヒチ島のファアアに沈む帆船

ヒバオア島のイール(ウナギ)洞窟やマウピティ島のコーラルガーデンなど、タヒチの島々には世界中のダイバーを魅了するダイビングスポットがあります。ダイビングで沈没した乗り物を見学したいなら、タヒチ島西海岸のファアアにそのスポットがあります。海底には、カタリナの水上飛行機、セスナの小型飛行機、古代のスクーナー船(帆船)の3つの乗り物が沈んでいます。スクーナー船は全長25~30mあり、フランス領ポリネシア全土へ物資や商品を運搬するために使われていました。

水上飛行機は1962年、スクーナー船は1976年に、ダイビングスポットにすることを目的として意図的に沈められたものです。ファアアの湾に潜ると、まずカタリナの水上飛行機を目にすることでしょう。戦時中にタヒチ島とボラボラ島間を飛んでいた飛行機で、当時は滑走路が1つしかありませんでした。かつては掃海挺だったスクーナー船は、現在、木製の甲板は波で腐食してなくなっていますが、その外枠はまだ見ることができ、小さな魚たちの棲み処となっています。見学するには、水深6~21mまで潜ります。

ライアテア島のノービー号

他にもタヒチの島々の有名なダイビングスポットとして、沈没船のノービー号があります。ライアテア島のラグーンの岸辺近くの海底に横たわるノービー号はデンマークの3本マストの貨物船で、1845年にニュージーランドのオークランドから母国へ帰る途中、ラグーンに避難した際に沈んでしまいました。

水深8~24mの場所にあり、美しいサンゴとたくさんの熱帯魚の棲み処となっています。もっとスリルを味わいたいなら、ぜひ夜に潜ってみてください。昼とは全く違った雰囲気を楽しめます。海水エビ、黒いサンゴ、クロハギ、ハタタテダイ、オニダルマオコゼ(非常に有毒なので要注意)、カワカマス、ロウニンアジ、エンゼルフィッシュ、ウミギク、海綿動物、ウミウシなどなど、たくさんの海の仲間に出会えます!

フォーム「このコンテンツは役に立ちませんでした」