「オリ・タヒチ」と呼ばれるタヒチアンダンスは、力強く官能的で情熱的なポリネシア精神を体現しています。タヒチの島々の文化と歴史に深く根付いているオリ・タヒチは、単なるパフォーマンスというよりも芸術の一形態です。感情や物語、そして伝統を伝えるパワフルな表現手段として、世代を超えて披露されてきました。

躍動感のあるリズム、官能的な動き、優雅な振り付けが特徴のオリ・タヒチは、独自の伝統芸術としてタヒチ文化に欠かせないものです。タヒチアンダンスは、かつては消失しかけたこともありますが、今では世界中で知られています。

伝統の中心

芸術舞踊であるタヒチアンダンスの起源は、何世紀も昔にさかのぼります。音楽と歌に合わせて、古代の神に捧げる儀式や結婚式、出産、豊作祈願などの重要な行事で披露されました。ポリネシアのヴァヒネ(女性)の優雅で官能的な表現手段であるオリ・タヒチは、特にヘイバ・イ・タヒチが始まって以降、何年もかけて発展してきました。ヘイバ・イ・タヒチは、伝統的な音楽とダンスを称えるカラフルでにぎやかなお祭りです。タヒチの島々からダンスチームが訪れ、感動のパフォーマンスを1か月にわたって繰り広げます。観光客も地元の人たちも魅了され、夢中になります。

現在オリ・タヒチは、非常に人気のある芸術として発展しており、タヒチの島々では、生涯のうちにダンスチームに属したことがないという独身のヴァヒネ(女性)はほとんどいません。大胆でカラフルな衣装は、誇り高い古代文化を視覚的に表現するうえで重要な要素となっています。最も有名なタヒチアンダンスは、激しく陽気なtāmūrē(タムレ)で、より細かく練り上げられた兵士の踊りをōte’a(オテア)といいます。また、それぞれの諸島には、ガンビエ諸島のpe’i (ペイ)マルケサス諸島の有名なhaka(ハカ)など、独自のダンスがあります。

世界共通語としてのタヒチアンダンス

タヒチアンダンスは、独自の古代文化を伝える一つの表現形態です。それぞれの動きや振りに特別な意味が込められており、フランス領ポリネシアの伝統、伝説、歴史に関連しています。オリ・タヒチは官能的すぎるとして、初めてタヒチの島々へやってきたプロテスタントやカトリックの宣教師がこれを禁じました。幸いにも、タヒチの女性たちは自分の娘へとタヒチアンダンスの振りや動きを伝え続けていました。1950年代にマドレーヌ・モウアがこの禁じられた芸術を復活させ、その振りや振りは欠けることなく、しっかりと再現されています。

タヒチの島々を訪れたら、オリ・タヒチのパフォーマンスを観る機会がたくさんあるでしょう。美しく色鮮やかなパフォーマンスに感動すると思いますが、タヒチアンダンスはポリネシア人にとってコミュニケーション手段でもあるということを覚えておきましょう。世界共通語であるタヒチアンダンスは、自分のアイデンティティや文化遺産を未来の世代、そして世界中から訪れる観光客へと伝えるために用いられているのです。

テーマ

フォーム「このコンテンツは役に立ちませんでした」