ポリネシア文化で欠かせないのが、「オリ・タヒチ」と呼ばれるタヒチアンダンスで、単なる地元の伝承舞踊とは思えない芸術性の高い踊りです。一時期は消滅しかけていたオリ・タヒチですが、現在はタヒチの島々で生活の一部となっており、訪れる観光客を大いに楽しませています。年に一度の祭り「ヘイバ・イ・タヒチ」などの魅力の詰まった圧巻のショーで、エキゾチックな衣装、官能的なステップ、伝統的な音楽をご堪能ください。
タヒチアンダンス
存続の危機にあった伝統舞踊…
タヒチアンダンスの歴史
オリ・タヒチは、宣教師たちがタヒチへやってきた際に、消滅する危機にありました。「トエレ」というドラムに合わせてリズミカルに舞うダンスが官能的だったため、保守的な宣教師たちには刺激が強すぎるとして禁じたのです。
幸いなことに、タヒチの人々はそれに屈せず、母から娘、父から息子へと密かに伝統を受け継いでいったのです。現在のタヒチアンダンスはポリネシア文化に欠かすことのできない舞踏として、トエレのリズムと「ププヒメネ」というコーラス隊の歌声や掛け声に合わせて踊る本来の姿を取り戻しています。
タヒチの島々には、学校や大学に伝統舞踏を学ぶコースまであるのです。
タヒチアンダンスの衣装
ダンサーが着ている衣装には、意味が込められており、各パーツは、タヒチの人々とタヒチの土地に根付く深い絆を表す文化の象徴となっています。
編まれたタコノキの葉は自然と大地、貝がらは海とバラエティ豊富な海洋生物、頭飾りでよく使われる羽根は優雅で美しい鳥、花はポリネシア人に共通する生命力と人生を楽しむ心を表しています。
他の見どころ
伝統楽器
ダンスに合わせて演奏するミュージシャンの人たちも、ダンサーと同じく重要な役割を担っており、パフォーマンスには欠かせない陶酔するような魅惑的なリズムを作り出しています。4本の弦を持つウクレレ がメロディーを奏で、「パフトゥパイ」というドラムがリズムを刻みます。木製のトエレ、タリパラウ、ファアテテで、独特の疾走感と躍動感のある音楽に仕上がっています。ホラガイの「プ」が歌にパワフルな低いベース音を加え、鼻笛の「ヴィヴォ」はやさしいソロのメロディーを奏でます。
刺激を受けよう
さまざまな体験
タヒチの島々で栄えた特有のポリネシア文化は、フランス領ポリネシアを訪れる人々を虜にします。伝統的なタトゥーには、その人の歴史や社会的立場、文化遺産を象徴したものが描かれています。また、ポリネシア料理はエキゾチックな風味と新鮮な素材で知られています。タヒチの島々に先祖代々伝わる文化に浸り、マナに身を委ねてみましょう。
タヒチアンダンスのイベント
ダンサーたちは年間を通じて、大きなダンスショーでパフォーマンスを行いますが、ポリネシア最大のイベントは「ヘイバ・イ・タヒチ」という祭りです。毎年7月に開催される伝統舞踏と歌唱の大会で、タヒチの島々からチームが参加します。タヒチアンダンスならではのマナを感じられるイベントは他にもたくさんあります。
7月にパエアにあるアラフラフのマラエが豪華なダンスショーの神秘的な舞台となり、ランギロア島では、9月に近隣の島々から「ファレ・レイファガ」の祭りに参加するダンスグループが集まります。12月はタヒチ島の小規模ながらも才能あふれるダンスチームが、メゾン・ドゥ・ラ・キュルテュールで開催されるダンス大会「フラ・タパイル」で競います。また、主要なリゾートホテルでは、観光客を魅了し、楽しませるダンスショーを定期的に開催しています。